『君と100回目の恋』を観る。いかにもというタイトルのロマンスではあるけれど、それが婉曲に指し示している通り時間の巻き戻しを扱ったファンタジーでもあり、だいたい坂口健太郎がちょっと好きである。主演はシンガーソングライターのmiwaで役者方面でも売り出そうというのかは知らないけれど、わりに元気があってよろしい。
ストーリーのほうは初めのうち『アバウト・タイム』みたいな雰囲気をみせてくれるのかと思ったのだけれどさにあらず。銃弾の装填された銃は発射されなければならないという例の話に照らしていうと、これはついに発射されない種類の物語で、この結末では時間の遡りという装置の必要性自体に疑義が生じているのではあるまいか。繰り返される時間であれば運命は変えられなければならないと思うのである。