『アンナチュラル』の第2話を観る。自殺に見せかけられた死の真相の究明と探偵に襲いかかる犯人というオーソドックスな事件ものでありつつ、主人公の過去をめぐるサブエピソードも着々と進行し、探偵の危機にあたってはもう一人の探偵の異能も発揮されるという充実した展開で、連続ドラマとしての世界観はさらに深まる。
テクニックの範疇にあるとはいえ、スマホではなくガラケーを使わせてのクライマックスの処理はやはりうまい。凍死という謎の提示も鮮やかなものである。演出のキレもさすがだったけれど、今回は特に石原さとみの仕事が見事で、これはただ美しいだけではない。
町の弁護士事務所、ネットカフェ難民という要素は『anone』を想起させ、何より現実の陰惨な事件との呼応も気になるところではあるけれど、ドラマ自体の制作は秋に先行していたことを考えると偶然の一致であり、優れた物語が常にそうであるように、どうやらこの物語も世界のストーリー原型が流れ込むようにかたちを作っている。