『風速40米』といえば日活時代の裕次郎の映画のタイトルとなり、『機動警察パトレイバー the Movie』でも壊滅的な被害をもたらしかねない嵐として描かれているわけだけれど、それを軽々、上回る風速47メートルが大阪で記録されたというのは、やはりただごとではない。変動の振幅が大きくなった状態が続くこと自体が、気象という複雑系における相転移の前兆現象ではないかとは『人類と気候の10万年史』にも言及されている通り。
一方、当地でも接近している台風を感じさせる大風が吹いたとはいえ、北陸で35メートルの暴風というわり、こちらは10メートルを少し越えようかという程度で、西に向け聳える日本アルプスの威容を意識せざるを得ない。伊那谷方向からの風に晒される松本盆地は、そうはいっても横殴りの雨と風だったのだけれど、峠を越えた諏訪盆地では風の影響もあまりなくて、出雲を逃れたタケミナカタがこの地に居を定めたというのもわかる。