『DEVILMAN crybaby』を観る。『デビルマン』の初めての完全アニメ化というのが目論見で、つまり原作のあの結末をアニメで表現しようということだけれど、湯浅政明監督の仕事なので強烈なオリジナリティもまた同居していて見応えがある。ちょうど『四畳半神話大系』が原作小説から逸脱しつつ『四畳半神話大系』以外の何ものでもないように、『デビルマン』でしかないのはさすが。
タイトルにも入っている「泣く」のほかにも「走る」「バトン渡し」などの映像的な題材を繰り返し使いながら、人間と悪魔を対照させ、ついにはあのクライマックスに持ち込んでいく演出はその一貫性によって「正しい」デビルマンの読み解きとなっており、特に原作通りというわけではないにして、偏狭な原作原理主義者でさえその整合性は認めなければならないはずである。