後れ馳せながら伴名練の『なめらかな世界と、その敵』を読み始めている。どうでもいいことだが、Mac OSのスマート変換は知らない間にハンナレンを変換してくれるほど賢くなっていて、魔法のようである。
小説のほうは2010年代を代表するSFという惹句があまり誇張にみえない超絶技巧で、例えば冒頭に配されている同名の短編では、あらゆる可能性からただひとつを選びとるロマンスの構造そのものが世界ごと構築されているという、何を言っているかわからないと思うけれど、言葉通りのセンスオブワンダーぶりでちょっとびっくりした。傑作であろう。