『いだてん』を観る。今回を入れて残り4回の放送とは寂しい限り。インドネシアの陸上競技大会参加問題に端を発して田畑政治が事務総長を解任される。その渦中にあって田畑は高橋是清にオリンピックのカネを出させた若い時の自分の行動がそもそもの間違いの始まりだったことに気づく。近代オリンピックがその成り立ちから大いなる制約のもとにあり、失敗は今も修正されることのないまま2020に繋がっているのは既に明らかになっている通り。
これまで何回か登場してきた落語「替り目」を使って田畑と志ん生の人生の落日を交錯させる脚本の冴えには涙するしかない。そして自分はどこで間違ったのかという自問には『真田丸』を想起したものである。非常に大河らしい余韻を感じさせる回で、物語はついに着陸態勢に入っていく。