『アクアマン』を観る。マーベルよりもさらに自由な感じのするDCエクステンデッド・ユニバースだけれど、大西洋に存在する海底人たちの七つの王国がゴッサムシティと同居しているとなれば相当、大胆に拡張された世界観であると覚悟しなければならない。
ジェームズ=ワンが監督で原案にもかかわってるらしいのだが、ストーリーは異種婚姻譚に始まりオーソドックスな貴種流離譚と聖杯探求譚というべきもので、何しろ主人公の名前がアーサー王に因んでアーサーなので、物語類型の見本帳みたいなつくりになっている。尺の方も143分とDCEUの通例に従って長いのだけれど、わかりにくいところはほとんどないので単純に楽しめるのではないだろうか。ジェイソン=モモアとアンバー=ハードのヒーローとヒロインは、今どき珍しいくらい古典的なマチスモ的世界観で、かえって新鮮にとられたのではあるまいか。