縮小する日本という市場を中心にして本邦の報道機関、特に新聞が淘汰されていくのは避けられないと思うけれど、メディアの使命を全うする上で、コンテンツとして取り組みが足りないのは間違いなくインフォグラフィックスの分野で、論説への傾斜によって視覚化の重要性が軽んじられてきたことは、事実をもとにすべき報道の質にも影響を与えてきたと思うのである。文脈が重要であることは言うまでもないとして、視覚化しなければ構造の問題に気づくことができないのが人間の認知の限界というものであれば。
第2次世界大戦における日本の死者310万人、インドネシアでは400万人、中国で1,000万人以上、これらを含む大東亜共栄圏での死者2,000万人以上という情報が、何度もデザインされることによって喚起される文脈は確実に存在するのではないか。