『シェイプ・オブ・ウォーター』を観る。マイケル=シャノンの狂気が昂じていく映画というのはいくつか観ているけれど、どれもしんどい。壊死していく二本の指という設定はとりわけ強烈で、どんな悪人にも弱さはあるにして、この指はいわば人間性の象徴として腐っていってしまうので、悪人には改心の機会も与えられず、狂人化したマイケル=シャノンの圧は大きい。
緑を基調とした画面はさすがギレルモ=デル・トロの作り込みで、眺めているだけで十分楽しい。M=ナイト・シャラマンばりにきれいな下げがついて、人魚姫の物語も回収していく構造もかなり好みで堪能したことである。