バック・トゥ・ザ・フューチャー

『いだてん』は戦争の時代を過ぎてなお熱い。星野源演じる平沢和重は東京オリンピックの開催招致が時期尚早である五つの理由の筆頭に対アメリカ問題を挙げ、それを受けて松重豊の東龍太郎は都内にすらなお米軍基地が7つも残っていることを嘆じてみせたけれど、令和元年の本日、全国に128、もちろん都下に7つの米軍基地がある現実を踏まえれば脚本家の意図は明らか、無論のこと2020を射程にいれての『バック・トゥ・ザ・フューチャー』なのである。オープニングタイトルの前からこの奥行きで、いつものように笑え、いくつもの「これまで」が交錯してつい涙するこのドラマの面白さはどうだ。

我々は未来を変えることができるのか。劇中、何度も「何か変わるかもしれない」という問いが挟まれているように。世の中にはこの話を「国策大河」と勘違いして敬遠している人間がいるらしいのだけれど、まず、とんだ粗忽者というものである。