『パトリオット・デイ』を観る。2013年のボストンマラソン爆破事件を扱った2016年の映画。実際のフッテージも使いながら当時の経緯をなぞるような作りとなっており、もちろん「実話に基づく」話ではあるけれど、マーク=ウォールバーグが主人公に配されたフィクションでもあって、事件の直後からこうした映画を企画してBoston Strongとやらかす神経はちょっとよくわからない。劇中、911の陰謀説について犯人が言及する場面があって、この事件についてもフェイクニュースの恰好の題材になっていたわけだが、この映画が特権的に事実を名乗ろうとしているあたりに残る違和感は何なのか。フィクションにはフィクションの作り方というのがあると思うのである。
混沌とした銃撃戦には妙なリアリティがあって、この場面に登場するJ=K・シモンズは見どころといえ、ちょっとカッコいい。