多様性

生物の生存戦略が多様性にあるとすれば、資本の原理はあらゆる多様性を飲み込んで統一の尺度に止揚する単一性の窮みであろう。グローバリゼーションによる価値観の一様化と都市化が、結果として出生率の低下を招く要因として機能するというのは半ば実証済みの事実だけに説得力がある。カネというゲームのルールは効率的な資源の配分を推し進め、結果として大いなる隆盛を実現したが、同じルールが自己目的化という特定進化の隘路に入り込むことによって種の衰退をもたらすというロジックには必然性を感じざるを得ないからには。