女神の見えざる手

ジョン=マッデン監督の『女神の見えざる手』は上出来なポリティカルサスペンスで、とにかくジェシカ=チャステインがカッコよくて好きなのである。Netflixに来ているので、ついついこれを観てしまう。今日の政治状況を思い出すと、ファンタジーと言っても違和感のない乖離があるので、そのあたりは大変、残念なところがあるとして。演出の密度は申し分ないし緊張感も保たれているのだけれど、大事なシーンで使われるIPアドレスに1バイトを超えた数字が使われているというGoofがあって、まさにクライマックスでこれが現実世界の物語ではないと我に返る仕掛けとなっており、なんだか物悲しい気持ちになるところまで、ある意味で秀逸。まさかこれは意図されたものではあるまいが。