巨大システム 失敗の本質

『巨大システム 失敗の本質』を読む。『失敗の本質』といえば「日本軍の組織論的研究」があまりにも有名だけれど、こちらはシステム論的にfiascoというべき大災害がどのように起こるかを複雑さと結合の観点から整理した好著。翻訳は2018年12月の発行なので挙げられている事例も新しめで興味深い。本家『失敗の本質』とはだいぶアプローチが異なるけれど、そもそもシステム思考と抽象化の欠落が壊滅的な失敗をもたらすとすれば本邦のアナリシスに足りない何ものかを示唆しているような気がしなくもない。