もちろん最終回直前の『いだてん』を観る。「いいか、小役人ども。アメリカに阿って原爆への憎しみを口にしえない者は、世界平和に背を向ける卑怯者だ!」という田畑政治の直截的なセリフの一方で19歳の酒井義則に重荷を背負わせた悔恨を被せたり、コンゴからオリンピックに参加するためだけにやってきた二人の若者を金栗四三と三島に重ねたり、尊いという他ない様々な感情を引き出していくこの虚構は、星野源演じる平沢和重が提案したメディア利用を悪しき意図で利用し、核兵器禁止条約に参加することを頑なに拒否している現実の日本に明確に対置していて今回も震えるような構造を作り出している。
そして前日の雨で深酒をして新橋に泊まったというブルーインパルスの実話まで消化して、次回最終回。