蛇のひと

『蛇のひと』を観る。とある商社の部長の自殺と課長の失踪の謎を追うという事件もの風の開幕から、やがて義太夫節の師匠一家断絶の経緯に行き当たって伝奇サスペンスに転調し、結局はその謎が自身にも降りかかってくる結末まで、永作博美がぐいぐい話を引っ張って不在の西島秀俊がそれに応えるという展開でなかなか見応えがある。一時期、流行った隣人ホラーとしても秀逸な部類に入るのではあるまいか。何しろ永作博美がよくて、当て書きしたとしか思えないキャラ立ちなので思わず見入ったことである。