ドクター・ストレンジ

『ドクター・ストレンジ』を観る。この連休、『エンドゲーム』の公開に合わせマーベルの過去作品の棚卸しが各所で行われているはずだが、こちらはだいぶ出遅れているのでまだ『インフィニティ・ウォー』に辿り着いていない。

日本ではほとんど馴染みがないはずのドクター・ストレンジ誕生の物語だけれど、何しろ主役がベネディクト=カンバーバッチなので違和感なく主人公の挫折と再生を見守ろうという気になる。シンプルなストーリーで、魔術世界の不思議映像が盛り沢山なので気楽に眺める分には悪くない。

とはいえ、コミックスでは7年間、修行をして会得した魔術がかなりあっさりと扱えるようになっているので、不思議といえば不思議と見えなくもない。その魔術的才能の根拠が、直観像記憶の才能だけというのもただの受験秀才みたいではないか。それ以上にマッツ様の悪役はただ悪事を働くだけの三下扱いで、こればかりはあんまりだと思ったことである。

ブラックパンサー

『ブラックパンサー』を観る。そういえば『シビル・ウォー』にもブラックパンサーは出演していたと思うのだけれど、ヒーローが3人以上出てくるマーベルの映画はだいたいストーリーを忘れてしまっているので、ちょっとした回想シーンを何かの伏線かと思っていたりする。とはいえ、ストーリーそのものは正統の王位継承譚と貴種流離譚の交差で、何しろブラックパンサーだけが活躍する話なのでわかりやすい。美術でアカデミー賞をとっているだけあって画面の華やかさも楽しい。

2日目

一応、世間並みのゴールデンウィークが始まったけれど、本日は用あって新宿往復。このところ出張がないこともあって、全面刷新された新型あずさに乗るのは実は初めて。自由席がなくなった上、編成もだいぶ短くなって、回数券も廃止とあっては、JR東日本も営利企業としての振る舞いが過ぎるのではないかと感じざるを得ない。車両そのものは快適で速度も速くなっているので何とか折り合いをつけているにして。

そして本日は中村屋のレストランでコースを食べたのだけれど、なかなかのもので、もちろん給仕も上々なのでさすが老舗と感心したのである。素晴らしい。

君の膵臓をたべたい

『君の膵臓をたべたい』を観る。原作の小説は未読。無論のこと想定観客の範囲には入っていないはずだけれど、もちろんインパクトのあるタイトルのことだから「食べたい」が漢字でないあたりは理解していたのである。どうやら浜辺美波というヒロインの映画で、ストーリーに感心するようなところはあまりないみたい。どちらかというとエンディングに入ってくるミスチルの『himawari』の歌詞の凄味が際立っていて、全部持って行く感じ。

22年目の告白-私が殺人犯です-

『22年目の告白-私が殺人犯です-』を観る。韓国映画のリメイクのようだけれど、もととなった『殺人の告白』は未見。以前、テレビのオンエアで冒頭の30分くらいを観たことがあったけど、演出過剰の冒頭と不自然なカットバックにもういいやとなっていたのである。そのこと自体が解明されるという構造を持った物語なので前半は辛抱しなければならない。

しかし、伊藤英明を除くと役者の仕事がどれもズレているような気がして、その違和感は最後まで拭えなかったのである。理由はわからないけれど、もしかしたら単に入江悠監督の仕事の肌触りなのかもしれない。展開そのものは薄々透けているとはいえ、クライマックスの仲村トオルには感心したし、もっとこういう役回りをやればいいと思う。

キング・オブ・モンスターズ

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の日本版予告を確認して、テンションの高いところを切り出して費消してしまう、言ってしまえば幼稚なこのスタイルはどうかと思ったのだけれど、もちろん見どころは多そうなので滾る。しかし結局、渡辺謙の出番もそんなに多くないんじゃないかと思うのである。デヴィッド=ストラザーンのセリフがが使われていて、姿は見えないけれど前作に引き続いて登場するようでこれも楽しみ。

NHK

春先は新社会人や一人暮らしを始めたばかりの学生のアパートにNHKの集金人が何度も襲来して、受信料の支払いを求めるというのが半ば風物詩になっているみたいだけれど、特にニュースは特に成果を上げているようでもない政権の外遊の状況を集中的に投下して、選挙に向けあからさまな世論誘導に取り組んでいるようだから、いよいよこの国のディストピア感も強い。潜在的な反乱分子がいるとして、報道機関としては陥落しているという評価でいいと思う。