『シンクロナイズドモンスター』を観る。アン=ハサウェイが、どういう経緯で製作総指揮に名前を連ねているのか知らないけれど、キテレツな話であることは間違いない。ただでさえうだつの上がらない日常でドツボにハマるという帰郷もののフォーマットをもった話に、どうして韓国で暴れる怪獣の話を絡ませようと思ったのかがまず不思議だけれど、それがちょっとしたサイコパスものに転じていくのだから相当、訳がわからない話なのである。アルバトロスが配給である以上、大作ではないにして、その訳のわからないところは買える。
Month: May 2019
女神の見えざる手
ジョン=マッデン監督の『女神の見えざる手』は上出来なポリティカルサスペンスで、とにかくジェシカ=チャステインがカッコよくて好きなのである。Netflixに来ているので、ついついこれを観てしまう。今日の政治状況を思い出すと、ファンタジーと言っても違和感のない乖離があるので、そのあたりは大変、残念なところがあるとして。演出の密度は申し分ないし緊張感も保たれているのだけれど、大事なシーンで使われるIPアドレスに1バイトを超えた数字が使われているというGoofがあって、まさにクライマックスでこれが現実世界の物語ではないと我に返る仕掛けとなっており、なんだか物悲しい気持ちになるところまで、ある意味で秀逸。まさかこれは意図されたものではあるまいが。
GoT
今さらといえば今さら、つい最近、最終第8シーズンの最終話に到達したHBOの『ゲーム・オブ・スローンズ』を観てみようかとファーストシーズンの第1話を観て、もちろん面白いのだけれど、完結まで遥かとしか言いようのない道のりに立ちすくんでいる。
そういえば原作の『氷と炎の歌』をウチの坊やに買ったことを思い出したのだけれど絶対、読んでいないと思う。
虫
和製Podcastに『バイリンガルニュース』という人気番組があって、最近になってこれを聴いてみたら、かなり面白かったのだけれど、最新の配信ではいわゆる昆虫食の専門家がゲストの特別編で、ゾウムシの串焼きというくだりから、もう何だか寒イボが立つ感じになっている。同じムシでもミドリムシまでが当方の許容範囲で、それが食の未来だというなら生き残れる気がしない。
腐敗
トランプが来れば醜悪な場面が繰り返されるのだろうと覚悟はしていたが、その幇間芸の腐臭は事前の予想を越えおぞましいもので、何しろ一方の当事者は参議院選挙の後には素晴らしい合意内容が発表できると言っているのだから売国は既に成っているわけだ。
そして今回の相撲協会の沈黙をみれば、土俵に救命で上がった看護師を指弾したかつての一幕がとんだ茶番であったことは明らかだという意見に賛同する。
ザ・モンスター
『ザ・モンスター』を観る。ゾーイ=カザンがアルコール依存で娘を虐待せずにおられない年若い母親というこれまでにない役柄を演じて、単なるモンスターパニック映画ではない物語の奥行きを担っている。離婚した夫の元へ娘を送り届ける子別れのドライブの途中、山奥で狼を轢いて事故となり、救援に現れたレッカーの男と救急隊員が謎の怪物に次々襲われる。全編、ほぼ車中にあって時おり、母娘の辛い記憶がフラッシュバックするという構成で、アクションがあるわけでもないのだけれど、謎の襲撃が母と娘の相克と二重写しとなる語り口が見どころで脚本と監督の意図は達成されている。もともとゾーイ=カザンという役者は達者なのだけれど、子役のエラ=バレンタインもこれに渡り合う仕事で、登場人物の極端に少ない89分を成立させている。小品ながらよくできているのではあるまいか。
エクステンデッド版
『インデペンデンス・デイ』のエクステンデッド版を地上波初放映というCMをたまたま目にしてしまったので、『ブラタモリ』のオンエアを観てから、これに切り替えてみたのだけれど、1996年制作の『インデペンデンス・デイ』は何もかも懐かしいという意味でたまに反芻する価値はあるとして、追加されたシーンはどうでもいいという点で単にカットされたものに過ぎないと思われ、『ザ・タウン』のエクステンデッド版のように冗長過ぎてないほうが良いというものですらなく、どこが追加シーンなのか判然としないというレベルなのでわざわざ観るようなものでもないみたい。