種まく人 『いだてん』は第一部 金栗四三編のクライマックス。関東大震災後、まだ傷の癒えない東京をきちんと描き、物語の折り返しとして後世につながる人々の営みのヨハネ福音書的総括の回であって、運動会の祝祭の雰囲気のなかで次回に続く。熊本にちっとも帰らない四三その人がようやくの帰郷を咎められ、韋駄天として走るというよく出来た話でさすがクドカンと思ったことである。面白い。