そんなわけで、おませちゃんブラザーズの矢崎と池田ビッグベイビーが強く推している今さらのJUDY AND MARYを今さらに端から聴き込んでいる。1992年以降の活動期というのは、ちょうど社会人になってからの来歴に重なっていて、しかしこのあたりは守備範囲外だったのだけれど案外、耳に残っており、どうしてか何もかも懐かしい。
Month: September 2019
伝承
SUSURU TV.のチャル蔵こと矢崎が参加しているということで、おませちゃんブラザーズのYouTubeチャンネルをみるのだけれど、このキャラ立ちとクオリティでありながら現在のところ登録者数2,500人ちょっとという少なさで、じき人気に火がつくとしても青田買いのような感じになっている。内容はいわゆるサブカルチャーと音楽を中心としたつくりなので、マイナーにとどまる可能性が排除できないとはいえ。
しかし、メンバーの世代がひょっとすると二まわりくらい違うということを改めて考えると愕然とする。ときに話題は『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を扱ったりするのだけれど、完全に歴史を紐解く展開なので、史実というものはこのように再構成されて語られることなしに自然と伝承されるものではないのだということを改めて実感したりする。今さら、大陸での日本軍の横暴を否定されて戸惑う従軍世代の困惑というのは、ひょっとしたらこのようなものなのではなかろうか。
魔眼の匣の殺人
『屍人荘の殺人』に引き続いて今村昌弘の『魔眼の匣の殺人』を読んでいる。
文体は当世風で好みじゃないところもあるのだけれど、ミステリーとしてはフーダニットへのこだわりがあり、特異な世界観に即して整合的なホワイダニットが語られる正統派で、系統樹では有栖川有栖に近いのが明らかながら、精神としては笠井潔の矢吹駆シリーズからの流れもあるのではないかと思うのである。現象学的本質直観。そんなわけで『屍人荘の殺人』は案外、面白かった。
屍人荘の殺人
『屍人荘の殺人』を読む。鮎川哲也賞を受賞した小説でミステリーランキングを総ナメにしていたけれど、このたびの映画化のタイミングで文庫化されたみたい。電子書籍にあって文庫化とは価格改訂の別名に過ぎないとして。
内容はちょっとライトなところもある今風のミステリーだけれど、新本格からこっち多くの奇作を読んできた経験からしてもその手があったかという奇特な設定があってまずまず楽しめる。
トライポフォビア
今回のiPhoneの発表はあまり熱心に追いかけていなくて、iPhone8で十分満足していることもあるのだけれど、集合恐怖を呼び起こすというのも宜なるかなと思わざるを得ないあの特徴的なレンズ部分はちょっとどうかと思うのである。横倒しにすると、口を開けている顔にしか見えない。
アプリとしてのカメラは来るところまで来たという気がするだけに、サービスに傾斜していこうというアップルの方向は理解できる。わけてもゲームでは速やかにさらに有力なプラットフォームになるだろう。
アウトロー
ジョン=ボルトンがひとつの戦争を起こすこともなくホワイトハウスを去ることになったのは、政治の世界ではこのところなかったよいニュースと言えるだろうけど、そもそも規格外であれば重用しようという判断基準が間違っているのであって、別にトランプが偉いわけではない。とはいえ、特に血を好むわけではないというのは、ほとんど存在しないトランプの美点のひとつと言ってもいいのではあるまいか。
大災害
今回の台風での影響は当地には出なかったけれど、千葉を中心に大きな被害が出ていて、震災以来との声も聞く。一方、政府と報道は内閣改造を優先として断水と停電下、厳しい残暑におかれた人々のことは忘れたかのようである。このところの空気からすると、いつ自己責任論が出てきても不思議はない。
自民党の憲法改正推進本部は、大規模災害に備えるなどとして緊急事態条項を盛り込もうとしているが、そもそも大災害に対応する気などないのだから、これはお為ごかしなのである。人間に対する共感の欠如と空恐ろしいほどの冷淡さがこの政権の特徴で、悪夢のようなと形容するのなら、このような人間たちが為すことなのではないか。