Netflixに『2人のローマ教皇』という映画が来ていて、本編はまだ観ていないのだけれど、前教皇のベネディクト16世がアンソニー=ホプキンスにそっくりだとびっくりしたら、ドキュメンタリーではなく、ベネディクト16世をアンソニー=ホプキンスが演じている伝記映画だと知って二度びっくりする。実際、似ているし。Netflix攻めていると、どうにも月並みな感慨をもったものである。いやはや。
Month: December 2019
霆ける塔
令和元年吉日に発売されるはずだった『図書館の魔女 霆ける塔』も結局、登場することなく本年は終わりぬ。いや、あと一週間はあるにして。なに、2016年から待っている身からすれば、この事態は織り込み済みと言わねばならぬ。
『ピルグリム』のTerry Hayesの新作は、少し前まで2045年発売予定という予約をAmazonで受け付けていたのだけれど、『The Year of the Locust』の本国でのリリース日は2020年9月3日に更新されていて、25年も予定が前倒されることもあるのだから読者というのは辛抱強くあらねばならないのである。その時分、レビュー欄の大半は”What a joke!”という反応だったとしてもだ。
クロストーク
コニー・ウィリスの『クロストーク』を1年遅れで読んでいる。近未来であり、現代ものでもある本作は『航路』と同じように同時代の風俗が織り込まれているのだけれど、カルチャーの引用が巧妙なのは作者が70を過ぎても変わらず、あの名作の雰囲気が再現されていて嬉しくなってしまう。劇中のドタバタがディスコミュニケーション状況そのものを示す手法も同様で、すでに自家薬籠中のものといえるこのスラップスティック感がどうしてこんなに面白いのか、考えてみれば不思議なのだけれど、まず名人芸というものであろう。
OVER DRIVE
『OVER DRIVE』を観る。東出昌大と新田真剣佑の兄弟がメカニックとドライバーとして国内のラリー選手権を勝ち抜きWRCを目指す2018年の映画。
ストーリーは兄弟の葛藤を中心にスポ根の王道を往く展開で、類型そのものといえ意外なところがまるでない。一方、ラリーという馴染みの薄い題材を扱いながら、あまり説明的にはならずに画面の見栄えを重視した作りになっていて、どこか海外映画で描かれる日本といった雰囲気が漂っている。外国資本による製作ときいても違和感がないくらいだが、観客としてはどういった層を狙っているのかよく分からない。興行成績が気になったので検索してみたら、爆死の文字があったのもあまり不思議ではないと思ったことである。
アド・アストラ
『アド・アストラ』を観る。監督のジェームズ=グレイがジョセフ=コンラッドにインスパイアされたと語っているだけあって、なるほどブラッド=ピットを主人公とした宇宙版『闇の奥』とみれば本作の印象をかなり的確に表している。深宇宙の入り口で消息を絶った父親を追う旅は内省的でありつ苦難の歩みで、死者達を葬ることもなく進み続けるその太陽系の道行きはドゥニ=ヴィルヌーヴかクリストファー=ノーランかという質感のある映像で見どころも多い。
SF考証、あるいは物理考証に関していえば、ちょっとまぁどうなのかというところが多くて、良くも悪くも雰囲気優先という感じはあるのだけれどブラッド=ピットの説得によって大概、どうでもよくなる感じ。とはいえ、人類が火星あたりにまで進出している地味めの近未来感はなかなかいい。
秋霜烈日
検察官は身分証が制定されておらず秋霜烈日章に個人番号が刻印されているそうだけれど、法治の厳しさを象徴する代紋に恥ずかしくない仕事をしていると言えるのか疑わしい事例に昨今、事欠かないのをせめて恥じ入るべきであろう。秋霜烈日の理想を追求しないのであれば、もはや何者でもないということである以上。
32GB
必要かどうかを問われれば、16GBあれば十分というのが事実といえなくもないのだが、新しいワークステーションのスロットに空きがあったので、16GBを一本追加して32GBでの運用を開始する。初めて買ったIBM互換機のメモリが8MB、HDDが256MBあって無限に巨大なストレージという気がしたものだが、思えば遠くに来たものである。