言ってしまえば電磁誘導による充電はその効率の悪さも含めて枯れた技術なので、充電対象の機器にどのようにコイルを当てるかだけが問題であり、普通はこれを動かす機構を組み込もうとするところを、Appleは多数のコイルを干渉しないように配置しようとしたのではないかとという観測には説得力がある。バッテリーの形状を変えたり、磁石を多量に配置することで性能と使い勝手を向上しようというアプローチと基本的に同じことをしようとしたというわけで、そもそもプロファイルに合致する。
その前提だと技術的な問題というよりは、FCCの認証を取ることができなかったことがAirPowerの開発断念の直接的な理由であるという見立てが正解ということではないか。コイル同士が干渉せず電磁誘導も機能するという条件そのものがそもそも高いハードルだとして、机上でも解決できるであろう困難に躓くというのも考えづらいと思うのである。