内閣府のホームページには「共生社会」の訳語に「cohesive」という単語が使われていて、inclusiveではない点に挙国一致的なおぞましさを感じるというTwitter上のやりとりがあったのだけれど、台風被害の避難所におけるホームレスの排除や、防災では国をあてにするなという日経の論調をみれば、社会保障のために増税を行うといいながら、その実もはや夜警国家としても満足に機能しておらず、経済システムの稼動という一点にのみ関心を集中させて理念をもたない国のあり方をよく説明する絶妙な訳出というべきではないか。
そうした指向が生産に寄与しない弱者の排斥と表裏一体であることには不思議がなく、政府の冷酷をよく説明して違和感がない。しかしそれをなすのはある種の利権集団であって、既に国家と呼ぶに値しない存在であるだろう。