(r)adius ラディウス

『(r)adius ラディウス』を観る。記憶を失った男が、近づく人間が次々死んでいく怪現象を引き起こしているのが自分であると悟り、物置に立て籠もっていると同じく記憶を失った女が訪ねてくる。93分のカナダ映画で、小品なりのシンプルな展開に若干のひねりもあってサスペンスとしてなかなか面白い作品になっている。語り口が違えばM・ナイト=シャマラン風味になってもおかしくない話だけれど、演出は平凡なので小道具としての怪現象の扱いが肩透かしと思われてしまう懸念はあって、そもそも解明が別筋に用意されているこの展開をどれだけの人間が納得しているのか興味深い。