『THE GUILTY/ギルティ』を観る。緊急通報指令室を舞台として、電話のやりとりだけで事件の一部始終が語られるデンマーク製のサスペンス映画。予算の低さを知恵で埋め合わせようという心意気が明らかな作りではあるけれど、その意図は優秀な演出とカメラワークによって達成されており、88分の尺を高密度に繋いでダレるところがない。事件がやがて鬱屈を抱えた主人公の警官の内面に立ち入ってくるあたりの説得力を支える役者の演技もなかなかのものである。最近ではインターネットを使った『search/サーチ』も似たような趣向だけれど、音声電話だけで舞台移動なしというストイックさではこちらが勝る。