『アップグレード』を観る。陳腐といえば陳腐な近未来感で特段、ひねりもないストーリーながらあまりチープさを感じさせない映像とミニマルな展開で、どこか拾いものという感じがあり悪くない。20世紀のSFを想起させる雰囲気もあるのだけれど、脚本も書いているリー=ワネル監督のSF魂が醸し出すよさというのがあるのかもしれない。
今年は『THE INVISIBLE MAN』が公開予定のようなのだけれど、古典的素材を新しく仕立て直すことに長けているという点では、『アップグレード』の主人公が旧車のレストアを生業としている設定と重なる。