エレベータースピーチ

Netflixで『スタートアップ』の第14話を観る。吉例に従いシリーズ全16話という構成であれば来週で完結の終盤、ハン=ジピョンがあまりにもいい男なので泣いている。一方、いくらなんでも不自然なタイミングで居眠りをして目を覚まさないダルミには、ドサンを手玉に取る底知れぬ腹黒さを感じ、全編のヤマ場というにはストーリー上の無理があるのではあるまいか。前段に睡眠をとれていないエピソードでも入っていればともかく、余分な演出が多い韓国ドラマの世界にあって、やけに唐突な展開になっていると思うのである。主人公の男女はもうどうでもいい感じ。

西日本を中心に各地で観察された火球の映像を見る。あらゆる場所で動画が記録されている現在、こうした瞬間が高い解像度で残る機会は以前に比べると飛躍的に多くなっているけれど、昨夜の落下は満月並みの明るさを伴ったものとされていて、『ガメラ2』を想起する絵面には思わず見入る。消失の瞬間、急制動から着陸の挙動があったとしてもおかしくない。それはともかく、実際には大気圏への突入がそれなりの頻度であるとして、地殻津波を引き起こすほど巨大な質量でないのは、単にそれゆえ人類が滅亡していないからという生存者視点のバイアスがあるからに違いない。この宇宙の片隅で、我々はいつ滅びていてもおかしくはないのだ。