エンド・オブ・ステイツ

東京都医師会がPCRセンターの運用を開始するにあたって、25日に感染の減速が見えなければ東京はお終いだという悲愴な会見が行われたこの日、これまでで最多の200名を超える感染が確認されたことを受けて会見を行う都知事は、いつになく苦しげな様子で時折、実に嫌な感じの咳払いをするので慄く。こういうパニック映画を観たことがある。

NYの感染爆発は地下鉄の混雑が原因という研究が伝えられていて、それはそうだろうという感想しかないのだが、そういえば世界一過酷な本邦の満員電車は脅威ではないという専門家の見解があって、それは今も訂正されていないのである。それは最早、科学の言葉ではないのだが。

『エンド・オブ・ステイツ』を観る。ジェラルド=バトラー主演のFallenシリーズの最新作で、相変わらず話は強引だし、CGはハリウッドに珍しいくらい雑なのだけれど、お約束をひとつも外すことのないジャンル映画として想定通りの出来なので何も考えずに観られる。今回は主人公の生き別れの父親が窮地を助けるというパターンで、全編を通して見どころはこのニック=ノルティとドローン攻撃くらいなのだけれど、ほぼトレーラーでネタを割っている潔さは評価できる。