『ジョーカー』を観る。『サイン』からホアキン=フェニックスのファンを標榜して、『I’M STILL HERE』を巡る一連の騒動にも付き合った人間として今さらといえば今さらなのだけれど、精神的に厳しい内容であることが容易に想像できるだけに二の足を踏んでいたというのが正直なところなのである。そこは想像通りの作品だとして、バットマンとジョーカーの誕生をリンクさせたり、アメリカンニューシネマのテイストにデ・ニーロを出演させたり、見どころの多さには唸る。何より、ホアキン=フェニックスの狂気は彼岸のもので、すごいものを観たとだけ言っていられる人間は幸せだということだろう。