『ターミネーター ニュー・フェイト』を観る。ジェームズ=キャメロンが『ターミネーター2』から地続きの物語として、3だの4だのをなかったことにして作ったという触れ込みで、『デット・プール』のティム=ミラーが監督というのもあって、ちょっと間違った期待をしていた感じもあるのだけれど、いや、あれはない。
マッケンジー=デイヴィスのグレースは長身の切れ味でカッコいいし、リンダ=ハミルトンのやさぐれぶりも見どころではあるけれど、なかったはずの『T2』当時のシーンは技術的興味を除くと、おいおいというほかない展開で、あとはアクションだけ。いろいろアップデートされているとはいえ、どうしたって焼き直し感は拭えない。強化人間の設定は、テクノロジーに関するここ30年の思想的変遷を反映しているとみえなくもないが、まず掟破りと評価すべきではあるまいか。己が内なる厨二がこれを是とするとしてもだ。