権力者が伝染性の病をおして徘徊し人々を感染させるというプロットがどのようなジャンルに分類されるかといえば、シリアスで重厚な物語ではあり得ず、茶番にしかならないはずである。我々はそのような現実に生きている。
遅かれ早かれ、良かれ悪しかれ、危険なものは既得権益ではなく思想である、とケインズは言った。日本学術会議をめぐる問題については、さまざまなデマ妄言が飛び交っているけれど、結局のところ、本邦謹製のルイセンコを生み出そうというのが政府のやっていることであれば、もちろん未来のためにこれを否定していかなければならない。