1980年代半ばからおよそ10年にわたって呪いの家を舞台に起きる惨劇を描き、やがて以前にも起きていた悲劇が掘り起こされていく。巻き込まれた人々は因縁の輪に取り込まれて悲惨な末路を辿り、一方の語り部はなぜか生かされて己が運命に身を震わせる。
Netflixの配信で『呪怨』の初のドラマシリーズ化という触れ込みで、シーズン全6話を1話30分見当で繋いでいくのだけれど、もちろん陰惨なエピソードが続くので疲れる。このフォーマットで2020年まで話を作れば第3シーズンまで続く設計だけれど、呪いの発現自体は元来、保守的なものなので、語り口もだいたい同じであることを避けられない。一方、年代記として語ることで、必ずしもパラノーマルではない悲惨を取り込み一層、陰気な話になっているのである。やれやれ。
これはネタバレに属する内容だが、この『呪怨』には今のところトシオも登場せず、雰囲気としては『残穢』に近い。時折、現れる怪異は岩井堂聖子の演じるものらしいので、『デリバリーお姉さんNEO』のファン層としてはそのことだけを支えとして最終話まで観る。