悪女

『悪女』を観る。『殺人の告白』のチョン=ピョンギル監督がスタントマン出身だったとは知らなかったけれど、冒頭、FPSビューの格闘から密度濃くアイディアが詰め込まれたアクションの連続で、こんな画面、どう撮るんだという感嘆もたびたび。スタントとカメラは超絶技巧の域で死人が出ても不思議はないレベルとみえる。

暗殺者として育てられた少女というちょっと懐かしめの設定に加えて、大映映画みたいな外連を感じさせる秘密施設の演出は讃えるほかなく、全体に荒唐無稽なストーリーも確信犯的に練られていると思うのである。このレベルの業界であればアカデミー賞を獲る作品が出てきてもおかしくはないわけで、やはり韓国の映画は大したものではないか。