東京抗争

感染確認の急増を見ながらGo to hellキャンペーンを強行しようという政府の方針は、今般のいきさつを眺めるに密かに参照しているデフォーの『ペスト』にも類似の話がない愚かさで、疫病に対峙して人間は進歩しているどころか、ますますバカになっているという証拠を17世紀以来、新たに付け加えるための所業にしか見えない。

新型コロナの様相は「東京問題」となってきたという官房長官の発言について、こちらも因業な都知事は反発しており、報復目的で合理的な選択として東京都のアラートレベルを引き上げて、政府の愚かさを際立たせる動きに出るだろう。それ自体は当然の判断である以上、東京都に分があると思うのだが、地獄の様相ばかり深まり善良な市民の立場ではうんざりという他ない。それもこれも、こうした者たちに政治を任せてきた結果であれば、この騒動が選挙に向けての判断材料になるだろうことに明るさを見出したくはある。