機能美

2020のオリンピックをいかなる点でも支持しない立場からすると、正直どうでもいいことではあるのだけれど、選手村の段ボールベッドにはさすがに驚いたものである。サステナブルだ、環境配慮だのと、言葉通りのお為ごかしはどうでもいいとして、見た目が段ボール組そのものという一点でこのデザインは安眠を保証せず、同時に紹介されたテーブルとパイプ椅子のみすぼらしさと合わせ、日本の工業デザインの後進性を広く喧伝するものになるだろう。この際、静止荷重性能の数値など関係のない話なのだが、もちろんそれが理解できないという点でこの「おもてなし」は三流のものである。

ちなみに紙を利用した高強度のフレームの例はいくつもあって、もちろんベッドすらあるのだけれど、比べても今回のそれは驚くほど稚拙なので、いやもう。