海獣の子供

『海獣の子供』を観る。日常を背景として五十嵐大介の絵がぐりぐり動いているのに圧倒される冒頭30分の体験だけで、まずすごいものを観たという感じなので、生命宇宙起源説的なスケールに至る後半は、ファンタジックなだけにむしろどこかで観たことがあるという気になってしまうのは、こちらの不徳というものであろう。動画のクオリティは非常に高く、キャラクターボイスも総じて違和感なく、デデの富司純子に至っては、なるほどこの声があったかと感心する。全体に玄人向けという気がしなくもないけれど、よくリバランスされた傑作であるには違いない。