都内の感染者は118人を数える。押谷という人のことはよく知らないが、国内感染の非常に初期の段階で8割は軽症、インフルエンザのようなものだとニュースで語っていたのを見ているので、つまりそういう役回りの人間だと思っている。この期に及んでのTweetを読むと、未だに「三密」の回避を自粛により達成しようという話だから、どうも科学者の言葉ではないのである。日本人の底力とやらに期待して、基本再生産数が1を下回ることは金輪際ないであろう。何より、クラスター対策の専門家と名乗るチームで押谷・西浦両名の発言がてんで一致していないのは末期的だ。
「行動変容!行動変容!行動変容!」という言いぶりをみると、WHOに「検査!検査!検査!」と言われたことを根にもっているように見えるのだが、本日は複数の病院で院内感染が判明し、つまり検査対応の不備が侵食をもたらしているのは明らかで、むしろ医療崩壊はこれが原因となるのではないか。初戦の僥倖が増長をもたらし、クラスター対策という消耗戦の隘路に入り込んで、今や戦略的にどうにもならないところに追い詰められているという見立てもそう外れていないように思える。これこそ旧軍の伝統というべき負けパターンで、どうしたって敗戦が重なって見える。