感染拡大への対応を放棄した政権で集団感染が起きたところで、あまり不思議はなく、してみると本邦で国会クラスターが発生したとしてもおかしくないと思いながらトランプ入院の経過をみている。典型的な症状を呈しているという話だから回復に向けたシナリオは幅広に可能性が考えられ、仮に2期目を務めることになったとしてその体力が残るかも疑わしいと思うのである。郵便投票をめぐる混乱を理由に居直るのではないかという予想まであったけれど、状況は大きく動いているのではないか。
マスクをはじめとする感染予防策に積極的でない集団の、状況下における脆弱性があからさまに可視化されたかたちとなったのも興味深い。結局のところ感染拡大の防止に必要なのは、トランプがこれまで否定してきた個人レベルの予防策であることが確認されたこの啓蒙効果が、トランプの唯一のレガシーということになるかもしれない。