我ながら、ほとんどコロナウオッチャーというべき日々を過ごしているのでもちろん公衆衛生学会の新型コロナウイルス関連情報特設サイトの資料も確認しているのだけれど、『COVID-19への対策の概念』は、暫定版といいながら今となってはあり得たかもしれないとしか言えぬ「日本独自の対策」の作戦構想書のようにしか読めない。疫学解析と数理モデルは確かに有効なツールではあろうが、政治と官僚の無責任によって檜舞台に無理矢理立たされたような危うさがあり、これは本来、プランBではなかったのか。そしてクラスター対策の理論的主柱というべき西浦先生が早朝にTweetを連投していてリアルタイムで眺めていたのだけれど、その実施を過去形で語っており、それは学者なりの誠実さといえ、つまりそういうことだと思うのである。