『長沙里9.15』を観る。仁川上陸作戦前夜、陽動として展開された長沙里(チャンサリ)上陸作戦に、ほとんど訓練も受けぬまま投入された学生たちが上陸用舟艇も満足に配備されない状態で戦火にさらされる。
このあたりの時間軸を描いた韓国映画では素材となった悲惨な戦闘自体、知らないことが多いので、映画的な脚色は多くあるとしても啓蒙的な意味は大きい。北朝鮮が泣き別れの同族であり、非情なのはむしろ友軍やアメリカだったりする文脈も近年では揺るがぬところである。反戦のメッセージをきちんと訴求できる社会が、そうでない社会よりも健全なのは間違いない。