『コタキ兄弟と四苦八苦』を観る。樋口可南子の出演に、自ずと上がるストーリーの期待値を超えて、海に沈んだ水晶と罪悪感のエピソードが余韻を残す。登場人物の論理の一貫性が結末をきれいに決めているのがさすがの仕事ぶりというべきであろう。尊い。
Month: January 2020
望郷太郎
必ず読むマンガは『3月のライオン』だけという現状ではあるものの、ポストアポカリプスもので『望郷太郎』というモーニングの連載が面白いという話を小耳に挟んだので、この第1巻を読む。
大寒波の襲来で文明が滅びた未来、500年後に冷凍睡眠から蘇生した男が中東から日本を目指すという設定で、まず、大寒波が来ているのに数ヶ月を冷凍睡眠でやり過ごそうとする動機の不可解さに若干の違和感はあるのだけれど、眼目は文明崩壊ののちに生き延びるところにあるので細かいことは言いっこなし。文明初期化という惹句には、なかなか気の利いたところがあると思うのである。端的には狩猟採集のレベルに適応してどのように生き延びるかという話なのだけれど、ハラリの文明史に通じる文脈も窺えて、絵に癖はあるものの導入は悪くない。続刊も読んでみるつもり。
そのマチェットを強く握れ!
『映像研には手を出すな!』の第4話を観る。日曜日深夜の放送というのが災いして、録画したまま観忘れているということが続いているのだけれど、いよいよ映像制作のヤマ場というこの回は何もかもよくて神回というものではあるまいか。修羅場の徹夜作業という状況というのは、やはり青春ものの一大テーマであり、心底好みなのである。
Git
今さらGitを使ってみたくなって、いろいろ勉強する。別にプログラムのプロジェクトを立ち上げようというのではないので、当方の用途ではローカルの操作だけでも十分だけど、Visual Studio Codeのソース管理機能が俄然、張り切って働き始めるのでちょっと世界が変わる感じ。機能することが面白いので、LaTexまで導入して遊んでいる。
腐敗
聖マリアンナ医科大学での入学試験における女性差別は第三者委員会が事実を認定しているにもかかわらず、大学が是正をしないという醜悪な展開になっているけれど、書類の破棄を盾に対応を拒否するというどこかで見たような話で、倫理的であることを放棄した政府の遣り口が、恥を知らない有象無象の輩にこそ格好の手本となった結果、この国では品位こそ希少資源となっていくに違いない。この腐臭にはまったく我慢ならない。
サーヴァント ターナー家の子守
ひたすら視聴を続けて『サーヴァント』のシーズン1全10話を見終える。すでにシーズン2の製作は決まっているという話なのだが、M=ナイト・シャマランらしく理に落ちる真相が用意されている一方での、視聴者の忍耐を試す放り出すような結末はアメリカ製ドラマの悪癖というべきではないか。無理に続きを作らなくてもこっちは満足しているのである。
振り返ってみるとサスペンスとしては第1話と第9話の出来が抜きん出ていて、シャマランその人の演出回であるのがはっきりと分かって面白い。第1話は挨拶状として、第9話はシリーズ構成上のクライマックスとして、いずれも秀逸。
コタキ兄弟と四苦八苦 三、曠夫受苦
『コタキ兄弟と四苦八苦』の第3話を観る。役者と脚本の仕事ぶりは上々で、もちろん上質な会話劇でありつつ、冒頭、顔を見合わせるシーンにみる山下監督の仕事ぶりもなかなかのものである。第4話のゲストは樋口可南子というのがまたすごい。