『ハッピー・デス・デイ』を観る。かつて一ジャンルを形成した『スクリーム』を想起させる殺人鬼ものに、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』みたいなループ設定を加えロマンスもあって、まず材料が盛り沢山なのだけれど、主人公が単に嫌な女というところから始まって、内面が明かされていく手際がいいので、ホラーとかサスペンスというより実は成長譚として楽しめる。この味付けの妙が本作の面白味であって、殺伐とした印象がないので、同じように大学生を主人公にして隆盛を極めたかつてのシリアルキラーものとはだいぶ違う話になっている。面白い。