コタキ兄弟と四苦八苦 一、怨憎会苦

『コタキ兄弟と四苦八苦』の第1話を観る。30分枠のドラマだけれど何かと手際がよくて密度が高いし、インパクトの配置を見れば日常系のドラマともちょっと違って、どうやら仏教でいう本来の四苦八苦を見つめるような物語になりそうである。市川実日子のお岩さんはスゴイよ。

まず、導入が抜群にうまくて、古舘寛治演じるコタキ兄に現代用語の基礎知識を音読させることで就職・結婚・出産のライフステージとは無縁の50男と了解させ、きっちり整えられた部屋とわずかに開いた襖の不穏から物語が展開していくあたりは嬉しくなってしまう。役者と演出と脚本の仕事がしっかりと噛み合っているのである。

TVK制作の『デリバリーお姉さんNEO』を思い出して、ちょっと懐かしくなってしまった。