アルキメデスの大戦

『アルキメデスの大戦』を観る。原作の漫画は架空歴史物としてフィクションの幅を拡大しながらなお続いているみたいなので、関心は130分の尺に何を収めるのかという点にあったのだけれど、山崎貴監督による脚本は開巻、戦艦大和の轟沈を示しつつ、時間を遡ってこの建造阻止に向けた主人公の奮闘を描く。結末にかけて物語的な転回が仕込まれた形の良い筋書きで、どうかと思っていたのだけれど結構、面白かったのである。田中泯の異様な説得力に押し込まれた感じがなくもないにして。