ミッドナイト・ラン

『ミッドナイト・ラン』を観る。ロバート=デ・ニーロが45歳の頃の作品で、ウェルメイドなロードムービー。初めて買ったレーザーディスクがこれだったことは覚えているのだけれど、どうしてだったかは忘れた。無論のこと懐かしいという感慨が先に行くのだけれど、ラストのギフトのシーンには脚本的な違和感をもっていたのを思い出す。どうなんだろ。

Edge

Chromium版のMicrosoft Edgeがダウンロード可能となっていたので、ついこれを導入してしまう。WindowsにEdgeはプリインストールされているけれど、主力とするには力不足なのでChromeを入れ結局、Microsoft謹製のブラウザは無用の長物となっているのが気持ち悪いという環境ミニマリスト層に、この製品は響くのではないか。当然のことながら、Chromeとはほとんど選ぶところがないので、ブラウザ競争の争点はアカウントをどこに置くかという一点に絞られてきた。だいたい、それこそがことの本質というものであるにして。

And yet BiSH moves.

そんなわけでBiSHの大阪公演を通しで観る。アイナ・ジ・エンドが夢を抱いて後にした故郷への凱旋という文脈が立ち上がってくるアンコールまで捨て曲なし、トリプルボーカルどころかやはりメンバーそれぞれの力量の向上目覚しく、やっぱりびっくりしている。そういえばPEDROでのアユニ・Dのベースのパフォーマンスにも感心したのだけれど、基本的に努力の量が違うようである。

フラゲ

このところ配信の利用ばかりで、今さらいわゆる円盤を購入することがあろうとも思っていなかったのだけれど、ヨドバシ.comで忘れないうちにと予約していたDVDが発売日の1日前に届く。いや、あれ、BiSHの『And yet BiSH moves.』

9月の大阪城ホールでのコンサートを収録しているのだけれど、このところのパフォーマンスのレベルアップは驚くほどなのだ。いい。

機能美

2020のオリンピックをいかなる点でも支持しない立場からすると、正直どうでもいいことではあるのだけれど、選手村の段ボールベッドにはさすがに驚いたものである。サステナブルだ、環境配慮だのと、言葉通りのお為ごかしはどうでもいいとして、見た目が段ボール組そのものという一点でこのデザインは安眠を保証せず、同時に紹介されたテーブルとパイプ椅子のみすぼらしさと合わせ、日本の工業デザインの後進性を広く喧伝するものになるだろう。この際、静止荷重性能の数値など関係のない話なのだが、もちろんそれが理解できないという点でこの「おもてなし」は三流のものである。

ちなみに紙を利用した高強度のフレームの例はいくつもあって、もちろんベッドすらあるのだけれど、比べても今回のそれは驚くほど稚拙なので、いやもう。

アルキメデスの大戦

『アルキメデスの大戦』を観る。原作の漫画は架空歴史物としてフィクションの幅を拡大しながらなお続いているみたいなので、関心は130分の尺に何を収めるのかという点にあったのだけれど、山崎貴監督による脚本は開巻、戦艦大和の轟沈を示しつつ、時間を遡ってこの建造阻止に向けた主人公の奮闘を描く。結末にかけて物語的な転回が仕込まれた形の良い筋書きで、どうかと思っていたのだけれど結構、面白かったのである。田中泯の異様な説得力に押し込まれた感じがなくもないにして。

コタキ兄弟と四苦八苦 一、怨憎会苦

『コタキ兄弟と四苦八苦』の第1話を観る。30分枠のドラマだけれど何かと手際がよくて密度が高いし、インパクトの配置を見れば日常系のドラマともちょっと違って、どうやら仏教でいう本来の四苦八苦を見つめるような物語になりそうである。市川実日子のお岩さんはスゴイよ。

まず、導入が抜群にうまくて、古舘寛治演じるコタキ兄に現代用語の基礎知識を音読させることで就職・結婚・出産のライフステージとは無縁の50男と了解させ、きっちり整えられた部屋とわずかに開いた襖の不穏から物語が展開していくあたりは嬉しくなってしまう。役者と演出と脚本の仕事がしっかりと噛み合っているのである。

TVK制作の『デリバリーお姉さんNEO』を思い出して、ちょっと懐かしくなってしまった。