コタキ兄弟と四苦八苦 七、病苦

『コタキ兄弟と四苦八苦』の第7話を観る。今回は門脇麦がゲストで、さっちゃん、ムラタは出番なし。コンパクトなセリフで何故、植物になりたいのかを語らせて門脇麦を越える説得力を出せる女優がどれだけいるだろうか。会話劇から二路、一路、闇落ちの流れには笑って今回も満足。

前夜

定年延長問題の論点を伝えず、桜の会のあからさまな偽造領収書を真正であるかのように伝え、報道機関はほぼ脳死という状況で国内はパンデミックを迎えようというのが本邦のイマココである。いやほんとに。

ここに、クルーズ船の検疫にあたっていた厚生労働省の百人近くが即日職場復帰して働いているとか、地獄のような状況で、結局のところロジック不在という一点によって、失敗学すらその効用を発揮できずに敗北していくのだ。

告発

このブログではあまりないことだけれど、クルーズ船の話はまだまだ続く。何しろ、現場で指揮をとっているらしい厚生労働省の副大臣が、反論とばかりTwitterに投稿した写真が、ゾーニングというものを理解していないらしいと話題になるのが本邦の現在地であるからには。旧軍の愚行にも信じられないような話が多かったものだが、それと同質の騒動を目のあたりとすれば、同じ種類の人間の仕業だと腑には落ちるというものである。

拡散

前日の岩田医師の報告への戦慄の記憶も真新しいうち、家に帰って夜のニュースを見ていると、シエラレオネを越える公衆衛生上の悪夢とまで評されたクルーズ船からウィルス検査で陰性となった乗客が下船し、あろうことか公的交通機関を乗り継いで自宅に帰り着くまでが報じられている。

しかし、船内の防疫体制の不備と検査精度、何より乗客の数を考えれば、偽陰性の感染者が相当数、含まれているはずである。封じ込めの事実上の崩壊、むしろ意思決定の失敗による放棄が可視化されたプロセスとして、これらの映像は語り継がれるだろう。

時を経ずして、帰宅者からの発病が始まるのは自明であり、それが報じられないとすれば隠蔽の結果なのである。

孵化

神戸大学の岩田健太郎教授の、検疫下のダイヤモンド・プリンセス号に入り、専門家の立場から船内は防疫上のカオスとなっていて、自身の経験からは酷かったシエラレオネよりも酷いという見解には、薄々そうじゃないかと思っていたにもかかわらず、本邦のシステム劣化を目のあたりにする衝撃が勝る。そして結局のところ、隔離によってエピデミックを引き起こし、各国の批判を受けてその孵卵器の蓋を開けようというのだから、これがパンデミックの引き金となるのではあるまいか。そうでなくとも、アウトブレイクの終息に向けてあと2-3ヶ月というのが妥当な見方であれば、オリンピックは自国民のみで開催することになるだろう。

私は私を救うんだ!

『映像研には手を出すな!』の第7話を観る。いかにしてアニメーターはアニメーターになったのかというエピソードが凝縮された作画の水崎氏回で、ちょっと感動する。音曲浴場での雨宿りも、学園ものはこうでなくちゃいけないという語り口で、何度でも見返したい。それにしても、もう7回目なのな。

quarantine

先週に引き続き、日曜出勤して仕事。本当ならひと山越えてのんびりしているはずであるにもかかわらず。

本邦はいよいよパンデミック前段階の様相で、無策と同義というほかないクルーズ船での隔離検疫の結果、集団感染を引き起こして各国から白眼視される始末。真に無能な為政者というのはあらゆる間違いを犯して、なお適切と言い張るので始末に負えない。実際にはこのまま多くの感染者が発生するのは避けられない情勢で、対症的処置を重ねるしかない医療現場の崩壊まで想定すべき段階を既に迎えたのではあるまいか。つまり、千人収容の急造病院を、この国でも建設する必要があるということである。