東京の検査で抗体反応の確率が0.1%程度だったというニュースがあって、これまでわからなかった感染の暗数のイメージは、その実、判明数の2-3倍だったかと勝手に納得している。ニューヨークの抗体確率が12%程度という話からすると、思っていたよりもだいぶ少ない。死者数が少なく見えるのも、現実に感染拡大が起きていないということだとすると、自粛や固有の生活様式はかなり有効に機能しているということになる。
Month: June 2020
行方不明
そういえば1週間くらい前に宅急便で送り出した巨大なディスプレイが、そろそろ戻ってきてもいい頃だと思うのだけれど、着払いで着いたという確認もないまま音信不通になっている。考えてみれば、別に連絡を貰ったからどうということはないにして一応、先例を調べると、ある日突然、戻ってくるものみたい。なるほど、宅急便でやりとりしている限りロストするという想定には無理があって、このあたりを支えているクロネコヤマトの業務遂行能力に対する信頼は偉大。ところで修理自体に一ヶ月かかっている事例もあって「おいおい」となっている。
GO TO BED TOUR IN YOUR HOUSE
PEDROの『GO TO BED TOUR IN YOUR HOUSE』のライブ配信をYouTubeで観る。BiSHとは違うアユニ・Dのヴォーカルとひたすら向上しているそのベースのパフォーマンスは最早、堂々としたものだけれど、田渕ひさ子のギター、毛利匠太のドラムも見せ場が多くてシビれる。アユニのMCには時に向井秀徳が憑依して、『無問題』のウシの乱入に至っては森山未來の再来にしか見えなかったものである。というか、中に入っていたのは森山未來に違いない。
3ピースの配置も社会的距離を意識したもので、そういえばこの時勢ではZAZEN BOYSスタイルの至近距離演奏も封じられているということなのである。いやはや。
東京の感染確認は47人。5月初頭以来の多さとなっているのだが、積極的に検査をしている結果なので問題ないという見解があって、検査抑制の前科を自白している他は意味不明の謎理論という他ない。36名の感染が確認された北京で市政府が非常時に入ったという認識を示していることを引くまでもなく、わかっていたこととはいえ、本邦の感染対策は既に科学が退場して、政治の都合で語られるものになっているのである。このあたりには、書かれることのなかった議事録によって明らかになるはずの経緯があったろう。
自衛が必要だとして、それは政府と自治体の責任放棄が招く公衆衛生上の危機からの逃避ということになる。災厄はすべての人間に等しく降りかかるだろう。
アップグレード
『アップグレード』を観る。陳腐といえば陳腐な近未来感で特段、ひねりもないストーリーながらあまりチープさを感じさせない映像とミニマルな展開で、どこか拾いものという感じがあり悪くない。20世紀のSFを想起させる雰囲気もあるのだけれど、脚本も書いているリー=ワネル監督のSF魂が醸し出すよさというのがあるのかもしれない。
今年は『THE INVISIBLE MAN』が公開予定のようなのだけれど、古典的素材を新しく仕立て直すことに長けているという点では、『アップグレード』の主人公が旧車のレストアを生業としている設定と重なる。
黒暗森林
Rebuild.fmのAudrey Tang回を聴いていて『三体』の続編『黒暗森林』が6月18日発売であることを知る。そういえば、ほぼ一年前に『三体』を読んで、続きを待望していたのだが、待っているうちに待つことが常態となり、やがて待っていることさえ忘れていたのである。こちらはあらかじめ2020年の刊行が予告されていて、予定通りなので文句をつける筋合いではないとして。『図書館の魔女 霆ける塔』は2016年の予定から5年近く待っていることを、ことのついでに思い出す。令和元年吉日刊行という話もありました。
すかさず『黒暗森林』上下巻の予約を済ませ、『三体』の再読に入るか思案している。ルシア=ベルリンの『掃除婦のための手引き書』を読み始めていて、こちらも面白いので時間の配分を考えなければならない。
スペシャルゲスト
Rebuid.fmで予告されていたスペシャルゲストの正体はAudrey Tangだった、ということで、これを念入りに聴き、機能する政府と機能しない政府の彼我の差のひたすら大きいことを改めて実感する。
台湾は香港からの移住を受け入れ、Radical Transparencyは中国政府の手法と真っ向から対立して、極東における自由主義の中心的な存在になるだろう。トランプのアメリカの腰巾着でしかない本邦の存在は、ますます矮小化するに違いないのだが、それを恥じないのが斜陽の国というものである。
そもそも政治家の資質の優劣がこれほどまでの大きいのは、複合要因による積年の劣化の結果であるには違いないのだが、ひとつに政治の世襲化の問題は間違いなくあって、歴史で幾度となく繰り返されてきた構造利権による腐敗によってこの国の土台もボロボロになっている。
Zettelkasten
Gigazineで数日前に読んだ記事でZettelkastenメソッドに興味をもっていろいろ調べている。知的生産術というのが好きである。
いわゆる情報カードを使うのだが、複数のカードのつながりを重視するクラスタリングに特徴があって、知識を総体として扱うところが理に叶っているとみえる。これをアプリケーションレベルで実現するのが双方向のハイパーリンクなのだが、これを実現しているのがRoam Researchというサービスでベータ段階であるにもかかわらず人気があって新規登録を制限しているみたい。デスクトップアプリで一番、理想的に動きそうなのがObsidianという新興のエディタで早速、導入してみたけれど完成度が高くクロスプラットフォームでオープン志向なプロっぽさも好ましい。世に才気のある人というのはいるものである。
そのObsidianの具合がいいので、Zettelkastenを実地に試してみている。自分の言葉で書くという教えとリンクの可視化が楽しくて、なかなかいい感じ。