東京都の陽性判明が34人に上ったと報じられたその日、武蔵野中央病院の院内感染での感染判明者が15人いるというニュースもあって、その15人は内数だとばかり思っていたら、都合49人となる外数だという報道にたまげる。つい最近まで、それが院内感染だろうが総数として報告されていたのは周知の通り。

都合よく定義を変更した挙句、レインボーブリッジと東京タワーを赤くライティングするだけが次なる打ち手だというから、既にことは科学でなくやってる感を醸すだけの政治ショーと化して、ウイルスは速やかに蔓延するに違いないのである。いやもう、この出鱈目は一体、何なのだ。

そういえばNHKで放送された『リモートドラマ Living』を観たのである。Zoom画面の例のやつではなく、それなりにきちんと撮られて編集された画面なので意外だったのだけれど、カメラのセッティングと撮影は役者自身が行い、言葉通りのオールリモートで制作されたという話だから、これも気合が入っている。広瀬アリスが妹のアップを撮った映像は、そういえば滅多にないレイアウトだと言えるだろうけれど、何しろ今どきの高解像度によるクローズアップでも破綻しない広瀬すずの顔面に感心する。

やはり坂元裕二の脚本は秀逸で、15分ずつ都合30分で立ち上がってくる物語の時間軸は太古から少し先の未来にまで及び、ひと通りでない関係性を日常の会話劇から構築してみせるのである。面白い。