無観客

Apple Musicに『TOKYO BiSH SHiNE6(Live at Zepp Tokyo 2020.8.19)』が配信されていたのでこれを観る。無観客ライブを実施できるのもコンテンツとしての力が見込まれているからには違いないのだが、舞台袖からのカメラが一瞬捉えた観客席の漆黒にはこの状況下の不穏が塗り込められている。2月に予定されているPEDROの日本武道館単独公演のころまでに、事態が落ち着いているといいのだが。

エノーラ・ホームズの事件簿

『エノーラ・ホームズの事件簿』を観る。マイクロフト=ホームズとシャーロック=ホームズの年の離れた妹エノーラ=ホームズは16歳となった朝、目覚めて母親の失踪を知る。状況を確認に訪れた兄たちは母親が戻らないつもりだと考え、マイクロフトはエノーラを寄宿学校に入れる算段をする。

Netflixオリジナル映画で『ストレンジャー・シングス』のミリー=ボビー・ブラウンが高名な兄弟の妹という役回り。ヘンリー=カヴィルがシャーロック=ホームズその人を演じていて、なかなか雰囲気がある。

語られることのなかったホームズ家の母親と娘の物語というアイディアに、父権的な帝国の没落と、しかし戦うことなしに手に入れることができなかった参政権をめぐる陰謀という横串を通して、全体としてよくできた冒険譚となっており、主人公を駆動する動機の変遷や伏線の回収がきちんと設計された脚本の出来にも感心する。少年期に観るべきウェルメイドなジュブナイルといえ、なかなかよろしいのではないだろうか。

無知の無知

横須賀に始まった異臭騒ぎはその都度の調査によってもまだ明確な分析が提示されていないようだけれど、米軍機の燃料放出説と大地震の前に観測される断層のズレ原因説が現在のところの主な仮説ということでよろしいか。燃料放出説については大気中への影響の試算くらいはできると思うのだが、どうだろう。

人間はいろいろ知っていると見えて実はほとんど何も知らないというのは本当だけれど、この件については是非、解明をみたいと思っていて、まずはどういう匂いか体験したいと思っているのだけれど、臭覚について再現の手段をもたないというのは、これまた科学の盲点ではなかろうか。

12

そういえばiPhone発表のスペシャルイベントだったことを朝起きて知る。これまでの基準でいえば大幅な更新であることは間違いないとして、ほとんど高揚感がないのは歳のせいか。いや、多少、縁取りのかたちが変わっただけではないかという気がしなくもない。

フランスの8都市でふたたび公衆衛生上の緊急事態宣言。冬に向けて北半球での事態の深刻化を心配する記事を読んだり。既にゆでガエルといっていい状況にあると思うけれど、フランスがそうであったような指数関数的増加を目にすると、さすがに経済優先とばかり言ってはいられないことになろう。

偽装

日本の政治の惨状はいったんおくとして、アメリカ大統領選挙で共和党のカリフォルニア支部が郵便投票用の偽の郵便箱を設置しているというニュースをうまく消化できなくて困っている。南米の最貧国あたりで行われている選挙と選ぶところがない状況が伝えられるこの国が、世界のリーダーと目されていた時代もさほど遠くない昔、確かにあったのである。そんな現実にあっては、この先わずか数年で、本邦の独裁体制がより無軌道に強化されることだって十分にあり得る。

Surface Laptop Go

AMD Ryzenのデスクトップ機を導入して大変、重宝しているのだけれど、さきほど発表されたSurface Laptop Goのバランスが絶妙なのでちょっと気になっている。ほどほどの性能できちんと安く、基本的な作りの良さが感じられるというのがいいし、要らないものがついていないというのはサブ機にとって重要な資質だと思うのである。

このミニマルな仕様で画面がタッチパネルというのには少し驚いたけれど、Appleの主張がどうであれ、ひょっとしたら画面を指で操作するというのは、今どきの学生世代にはあまりにも当たり前の機能なのかも知れず、こちらが正解という気がしなくもない。

彼女はキレイだった

なんだかパク=ソジュンの追っかけのようになっているのだけれど、この週末は『彼女はキレイだった』を観ている。ファン=ジョンウムがイケてないヒロインの設定で、物語のなかでの変貌への興味でついつい観続けてしまうという趣向なのだけれど、実際のところはパク=ソジュンのキャラクターが跡形もなくデレデレとなっていくあたりの衝撃のほうが大きい。この体たらくでは、実際のところ、チェ=シウォンが演じるシニョクのほうが数段、男前ということになるのではなかろうか。