イコライザー2

『イコライザー2』を観る。前作も結構、好きだったのだけれど、今回もオーソドックスな元CIAもののジャンル映画としてのコードを踏んで、意外なところは全くないけれどお約束が楽しめる。デンゼル=ワシントンは体型的に鋭利という訳ではないのだけれど、演技の力によって無敵のオーラを醸すという、役者本来の仕事をしていると思うのである。実のところ、ちょっとお腹が出ているのを衣装でごまかしている印象が。

ヨーロッパの事件を地元で解決するローカル感がちょっといいし、敵役の墜落というお約束展開にしても、ちゃんとトドメを刺す点で他のジャンル映画と一線を画しているあたりを評価したい。そもそも陰謀の真相は全く明らかになっていないのに、対決の構図をつくり、込み入った話をしないで物語を消化した手腕は優秀ではないか。普通は「名前をポケットに入れた」人間を倒すのがジャンル映画というものなのである。